野球ってかなり特殊な怪我をしますよね。野球特有の怪我が多いと思います。では、なぜそのような特殊な怪我多く、体の至るところに怪我することがあるのか不思議だと思いませんか?サッカー選手なら下半身の怪我で上半身の怪我なんてほとんどしないでしょう。
今シーズンに入ってから怪我、離脱、復帰した選手、よく使われる怪我名は一体なんなのかについてご紹介します。このコンテンツでは
・現在怪我している選手の情報が得られる
・野球界で使われている「コンディション不良」「張り」について解説
・トミージョン手術とはどんな手術でどのくらいリスクがある手術なのかわかる
では本題の内容に入りましょう。
そもそもなぜ怪我をするの?
ご家族の中に野球をされている息子さんがいるならご理解があるかもしれないのですが、練習や試合が終わるたびに「〇〇が痛い」と言われませんか?怪我をした経験がある選手だと、「また〇〇になったかもしれない」と決めつけたりもします。私はそうでした。連戦があるたびに腕の張りがあってまた野球肘になったのではと思うことがありました。
話が長くなりましたが、なぜ野球選手は学生でも手術を迫られるような重大な怪我のリスクがあるのでしょうか?私の友人でサッカー、バスケをしている友達では怪我といえば肉離れ、突き指、など誰もが聞き覚えのあるような怪我ですが、野球選手の怪我は症状を聞くと覚えきれないくらい長い怪我の名前を医者から言われたりしますよね。ではそんな怪我がつきものの野球の怪我の発端は何か?私の見解は以下の通りです。
- ハードワーク(練習が長い)
- 体全身を使う
- 日常生活で使わない筋肉を使っている
- 普段しないような体の動かし方をしている
野球は試合は他の競技に比べると運動消費量は少なく、何歳になってもできるスポーツです。現に年寄りの方でも草野球ができているのが何よりの証拠です。しかし、練習はどの部活動よりも長く、とにかく走る、バットを振っています。これだけ体全身の筋肉を使う競技も多くはないでしょう。投球の動作などはほとんど日常で使うような体の使い方ではなく、下半身の筋肉に比べるとかなり小さい筋肉です。そのような筋肉を酷使する、あるいは体の使い方が悪く腕に負担が大きくなると怪我につながるのです。
各球団の怪我、離脱選手
さて、今回のコンテンツの本題でもあるプロ野球選手の怪我・離脱状況についてご紹介していきます。5月時点のケガリストのなのでご承知おきください。初めて聞くような怪我の名前も多いと思いますが皆さんの推しの選手はリストに入っていないかぜひチェックしてみてください。
巨人
選手名 | 症状 |
菅野智之 | 右肘張り |
畠世周 | 右肘関節鏡視下クリーニング術 |
Y・メンデス | 右大腿二頭筋筋損傷 |
Y・ロペス | 登録抹消 |
ヤクルト
選手名 | 症状 |
D・ピーターズ | コンディション不良 |
DeNA
選手名 | 症状 |
Y・ディアス | 左肘内側側副靱帯再建手術 |
中日
選手名 | 症状 |
竹内龍臣 | 右肘頭観血的固定術・右肘後方形成術 |
大野雄大 | 左肘遊離軟骨除去手術 |
清水達也 | 右肘違和感 |
阪神
選手名 | 症状 |
湯浅京己 | 右前腕張り |
広島カープ
選手名 | 症状 |
大瀬良大地 | 左太腿裏負傷 |
栗林良吏 | 右内転筋筋挫傷 |
中村奨成 | 左前距排靭帯及び踵排靭帯断裂 |
日本ハム
選手名 | 症状 |
C・ポンセ | 左大腿四頭筋腱付着部部分断裂 |
石井一成 | 左肩甲下筋肉離れ |
J・ガント | 右肘違和感 |
金村尚真 | 右肩張り |
石川直也 | 左内転筋付着部肉離れ |
清宮幸太郎 | 左腹斜筋筋損傷 |
今川優馬 | 左脛骨上部打撲 |
古川裕大 | 左ハムストリングス肉離れ |
五十幡亮太 | 左ハムストリングス肉離れ |
楽天
選手名 | 症状 |
田中将大 | 登録抹消 |
西武
選手名 | 症状 |
岡田雅利 | 大腿骨・脛骨骨切り術 |
山川穂高 | 登録抹消 |
ロッテ
選手名 | 症状 |
L・カスティーヨ | 右肩違和感 |
菊池吏玖 | 左内腹斜筋損傷 |
荻野貴司 | 左内腹斜筋損傷 |
山口航輝 | 左大腿二頭筋損傷 |
高部瑛斗 | 右肩甲骨筋損傷 |
オリックス
選手名 | 症状 |
宇田川優希 | 上半身コディション不良 |
J・ワゲスパック | 上半身コンディション不良 |
黒川優太 | 登録抹消 |
吉田凌 | 登録抹消 |
太田諒 | 左尺側手根伸筋腱炎 |
杉本祐太郎 | 左脚筋損傷 |
ソフトバンク
選手名 | 症状 |
泉圭輔 | 右手薬指細菌感染症疑い |
風間球打 | 腰椎分離症 |
牧原大成 | 左大腿二頭筋損傷 |
河村友斗 | 左肘骨ヒビ |
復帰・登録選手
お次は怪我から1軍に復帰した選手をご紹介していきます。怪我して離脱している選手の数よりもかなり復帰している選手は少ないです。なぜなら、怪我が重症で年単位でリハビリが必要なけがをしている選手が復帰するとなるといきなり1軍に合流するよりも2軍で調整してから1軍復帰するケースがほとんどです。こちらの情報も5月時点の情報なのでご承知おきください。
選手名 | 球団 |
重信慎之介 | 巨人 |
中川皓太 | 巨人 |
R・ガゼルマン | DeNA |
仲地礼亜 | 中日 |
大瀬良大地 | 広島 |
A・ハンソン | 日本ハム |
藤平尚真 | 楽天 |
村西良太 | オリックス |
T-岡田 | オリックス |
甲斐野央 | ソフトバンク |
コンディション不良とは
野球選手の登録抹消でよくニュースで見られる『コンディション不良』そのまま言葉を読んだら、『プロがコンディションが悪いという理由で一軍から離脱するなんておかしい!』そう思った方は少なくないでしょう。コンディション不良の真相について説明します。
結論から説明すると『骨折、肉離れ、突き指、肩痛などあらゆる怪我を含んだものの総称』のことを言います。その選手の状態を隠すかのように使われるこの言葉を使うメリット・デメリットについて説明します。
メリットは以下の通りです。
- 詳細が外部に漏れない
- 今後の動向を予測されにくい
怪我の詳細を公に公言してしまうと球団側はこの怪我ならこの期間で復帰してくるなど、チームのあらゆる動向を探ることになるのです。また選手としてもトレードや人的補償などで怪我の程度や大きさによって選ぶ選ばないが決まることもあるので選手側にもメリットは十分にあると考えられます。
デメリットは以下の通りです。
- その選手の今後の動向が予想しづらい
- ファンが不安になる
特に投手だとローテーションでいつに復帰して登板するのかがわからないとデータ等の準備に遅れが出てします恐れもあるでしょう。おおよそローテーションで前日には誰と対戦するかが決まっているので球団は前日、いやもっと前からデータ等の準備を行い選手たちにどんな投手なのか、バッテリーだとどのような特徴があるバッターがいるのかを頭に記憶して試合に臨むからです。
- 日本ハム
- DeNA
コンディション不良だからすぐに復帰できるのかなと不安に思うファンも少ないでしょう。ファンの不安をさせないために上記の2球団はコンディション不良を一切使わず選手の怪我の詳細を公表しています。このような球団はファンとチームの距離感を大事にしていたり、一体となって戦おうとする姿勢が伺えます。
張りと違和感ってどんな症状?
次に張りと違和感についてご紹介します。この二つの言葉の決定的な違いを簡単に説明すると『その症状に対して言葉に表せる明確な症状か、不明確なのか』。まずは張りについて説明します。
張りとは筋肉痛や、筋肉、関節の炎症のことを指します。
野球をやっていた方だとご経験があると思いますが、試合で投げた次の日に肩肘が痛くはないけど筋肉痛のような感覚が一度は経験があるのではないでしょうか?そのような感覚、筋肉痛を一般的に張りと言います。張りは主に投手に起こりやすいです。
なぜなら投手のマウンドから投げる1球と野手のスローイングで投げる1球は使う筋肉、疲れは全く別物高だからです。ただ、これは投球間隔を空けるなど休みを取ると症状は自然と治るケースが殆どです。休養を取らず無理して投げると疲労は蓄積され故障に繋がりかねません。プロだけではなく、学生球児も張りを感じたら早めに監督に報告し休養を取るようにしましょう。
私も小学生、中学生の時と散々野球肘になってきました。もっと早い段階で言っていればこんな重症にならなくて済んだのかもしれないと思うことも今ではあります。なので球児はなかなか大人に自分の怪我の状態を伝えて練習に参加できない心苦しい気持ちは重々承知の上ですが、親経由でも構いません。自分の体がSOSを出していたらすぐに監督に報告して治療に専念しましょう。
次に違和感です。違和感とは痛い疲れてもなくだからと言ってなんとなくではっきりといつもと何かが違うことです。先ほどの張りのような筋肉疲労とは違い、かなり危険な状態です。怪我の一歩手前と考えてもいいでしょう。そのまま投げると取り返しのつかない怪我にもつながります。現に大谷選手が8月に怪我をしたと発表した際も「投球の際にいつもと違う違和感があった」と話しています。
本人はうまく症状について説明できないため、学生や大会前、レギュラー争いをしている時は『サボりと思われる』『このくらいで休んではいけない』と思いこのくらい大丈夫と思ってそのまま練習、試合でプレーすることが殆どです。本当にその時がだけの感覚ももちろんありますが、その違和感から投手だといつも球が投げられない、ストライクが入らないなどのプレーに影響することがあります。
打者もいつものスイングが違う感じで不安が残り打席で思うようなバッティングができないこともあります。最悪、怪我に繋がることもも十分に考えられます。
以下のような症状が出たら怪我の前兆の可能性がとても高いのでまずは親なり言いやすい人に伝えて白旗をあげましょう。
- 指の痙攣
- いつもと違う(違和感がある)
- 疲れが取れない(回復しない)
- いつもと違う腕の使い方をしている
自分の体は自分が一番よく知っているという言葉があるように違和感がある際は症状を報告するだけでもいいのでしっかりチームに報告をしましょう。怪我して悲しむのは自分だけではなく、家族やチームメイト全員です。
トミージョンってなに?した方がいいの?
最後は一度は聞いたことがある『トミージョン手術』ついて紹介します。
まずトミージョン手術とはどんな目的で行うのかというと靭帯の損傷により弱った靭帯を補強するために行う手術です。具体的な手術内容は肩から肘と肘から手首の接合部にドリルで穴をあけ、移植した筋を医療用ネジで固定する手術です。
これだけ聞くとドリルに穴を空けて行う手術で本当によくなるのかと不安になる方も多いでしょう。大谷翔平選手、ダルビッシュ有投手、前田健太投手などメジャーで活躍した投手が行なっているのが報道され今では怪我を乗り越え活躍している姿を見ると手術した良くなると思う方もいるかもしれませんが注意が必要です。
学生の場合だとほとんどの人に手術自体をお勧めはできません。お勧めしない理由は以下の通りです。
・リスクが大きい
・年単位のリハビリに専念する必要がある
そんなことができるのは野球をして生活している野球選手以外他ならないからです。プロ野球選手や大リーガーはリハビリの期間で肩肘だけではなく、投球に必要なコンディションを改善しての復帰です。一概に靭帯を再建したらよくなることはありません。また、手術後に1年半以上のリハビリに費やす時間がかかるのでその間野球をしないでいい余裕のあるアマチュアの選手は滅多にいないでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回の内容を簡単にまとめると
- 野球選手の怪我の大きな要因は長時間練習によるハードワーク
- 怪我して復帰する選手は少ない、長期的にリハビリに専念する必要がある
- コンディション不良はあらゆる怪我の総称を指す
- 張りは主に筋肉痛で筋肉の炎症を指す
- 違和感はいつもと違う感じで痛いわけでない。(怪我の前兆を体が教えてくれている)
- トミージョン手術は学生にはお勧めできない
怪我つきもと割り切っていてもできるなら回避した方がいいです。特に学生は3年という短い期間のほとんどを怪我に追われリハビリの毎日でまともに練習に参加できずに終わるなんて悲しいですよね。
私も中学時代怪我していない時期の方が短いと思うくらいいつもどこかが痛い中でプレーしていました。そんな野球生活を送らないようにするためにできるのは栄養のある食事を摂ること。十分な睡眠をとり疲労をその日のうちに取る。練習前のストレッチを入念に行う。練習後30分ほどケアの時間を作りケアを行う。どのような怪我も何か原因があるはずです。最大限ケアをした上で怪我するのは仕方ありませんが、何もケアもしていない、不規則な生活を送って怪我をしてはするべくしてしたと周りは言うでしょう。
一流の野球選手が細心の注意を払って体のケアをしても怪我は付きまとうのもです。きっと今季怪我で離脱した選手は今シーズン、来シーズン、離脱した前よりも上手くなって、強くなってまたファンの前でプレーをするでしょう。一日でも復帰して活躍できるのを心から期待しましょう。
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