2023年のプロ野球シリーズで阪神を日本一まで導いた阪神タイガースの名将「岡田彰布監督」。
阪神ファンから絶大な信頼と尊されている岡田監督は一体どんな采配やチームに言葉をかけて日本一をつかんだのか。気になりますよね。
一言で言うと、私利私欲を持たず、チームの勝利のために采配をした監督です。ヤクルトを常勝軍団にした故人・野村克也さんとどこか通じる部分があります。
今回、ご紹介する名言は岡田彰布監督著:「幸せな虎そら、そうよ」から抜粋してご紹介しています。
岡田監督の語録集
おれがほかの監督と決定的に違うのは、こういう野球をやりたい、というのがないことよ。
おれは預かった戦力でどう勝つのかが、監督の采配やと思うてる。
一流のリーダーの共通点は理屈抜きに勝利に執着することです。その欲が半端じゃありません。
面白いことより、安心して勝利を確信できることを優先させてきた。
ライバルに競り勝つよりもその分野で圧勝することの方がよっぽど重要に思える。
2024年も、これからも岡田監督は理屈抜きにファンに勝利、日本一をプレゼントすることへの欲を持ち采配する。
勝負強さを「持って生まれた運」というだけで片付けることはできない。
勝負強さとは、真の勝負の場面に本当に巡りあいたいと思い、努力を続けているかどうかで決まる、と考えている。
岡田監督が思うに運とは自力本願で掴むことです。上記の言葉の続きには次のような言葉があります。
日頃からそう思っていなければ、その場面で手繰り寄せることなどできない。そもそもそこに立たなければ、勝負強い弱いかすらも、わからないのだから。
勝負どころを引き寄せるためにも、そこで最良の結果を残すためにも、日頃からたゆまぬ積み重ねが大切なのだ。
これこそが岡田監督が思うチームに運を引き寄せる秘訣です。
よく勝負事には「流れ」が重要と言われる。
実際には、その流れには目に見えないものだが、この無形の条件が勝敗を大きく左右することを嫌というほど経験してきた。
しょうもないミスを起こせば、取り込んでいた流れを、手放してしまう。
勝負事のあるあるで、だからミス、失策は怖いのだ。
野球に限らず、なにごとにも「流れ」というものが存在します。
結果だけで判断するのは素人です。岡田監督のような一流リーダーは素人たちとどう違うのか。
それは負けた試合のなかにポジティブな要素を見出し、次に繋げる采配ができます。
リーダーとして大事なことは、うまくいかなかったときにその中からポジティブな要素を見つけ、次に期待すること。苦境になればなるほど「次は必ずツキが戻ってくる」ことを信じ続けることです。
信じる者が流れを引き寄せ、次の勝利を掴み取ります。
苦境になればなるほど、次に期待しよう!
アマチュアは個人よりチームに、プライオリティを置く。
アマチュアの選手は個々の能力で至らない部分があるので、それを全員のチームワークで補って、チームの力を高めないといけない。
しかし、卓越した野球の技術を持つ選手が集まったプロは、個の足し算がチームの力になる。
プロのチームワークは、仲良しこよしで発揮されるものではないのだ。
日本ではよく「チームワーク」という言葉を聞きますが、プロの集団ではその言葉を語られることは少ないです。
プロフェッショナルの世界には弱者は消え、存在自体も許されないのです。
スポーツのみならず、ビジネスの世界でも同じです。
プロフェッショナルとは「能力が高く、技に優れ、その仕事に確かさがある人間」と定義されています。
リーダーの仕事は特技が異なるメンバーを束ねて組織として最大の成果を上げることです。
阪神タイガースの球団紹介記事でも岡田監督について紹介しています。
阪神ファンは阪神タイガースの語り継がれる栄光と歴史も合わせてご覧ください。
強いチームは、簡単に勝てないことを知っている。
だから最善の策を駆使して、1点でも多く取る。
しかし、負けるチームほど、簡単に勝てると思っている。
だから試合以外のチームづくりの部分でも、ちょっと補強したら勝てるなどと安易に考える。
一つ勝つのにどれほどの労力を費やさないといけないかが、わかっていない。
その結果、毎年負けるのだ。
この世の中は、圧勝して勝つ試合より、悪戦苦闘し接戦の方が断然に多いはずです。
その接戦を勝利に導けるかが采配する人の手腕にかかっているのだ。
状況が悪くなった時に、焦ってすぐに動き出してしまうか、じっと待ちただひたすら流れがくる一瞬を待つのか。
流れがこちらにくるまで我慢して辛抱強く待つ決断ができるか、リーダーには必要な資質である。
負けるチームの典型例なのは、勝てる試合を落とすということ。
ここであと1点取っておいたら勝てるのに、取れなくて負けるなど、試合の流れが読めない。
それに負けるチームは、点を取ったら安心してしまい、少し追い上げられただけで焦る。
野球のなかの勝負どころが、わかっていないのだ。
岡田監督の野球は勝つ野球ではなく、負けない野球です。
勝つと負けるは似て異なります。
勝ちたいと思う時点で心の中に欲が湧き上がる。焦りが生まれる。ちょっとしたピンチにも対応ができなくなる。
負けないと思って勝負する際は常に最悪の状況に陥ることを重々承知している。
勝ちたい欲を封じ込めて負けない勝負をやれば、勝負で負けることはグッと減る。
もしかしたら私の考えは古いのかもしれない。
カネで優勝が買える時代になっているのかもしれない。
だがそんなやり方が、プロ野球の魅力を半減させているのではないか。
ファームから若い選手をしっかり育てて野球を仕込む。
そして監督が、あれこれ手を尽くして、チームの結果を積み重ねていく、そういう監督業こそが面白いのである。
岡田監督は外部から有能な選手を大金叩いて獲得してチームを強くすることを微塵も考えていません。
生え抜きのセンスを育てることしか考えていません。
優秀な選手を取り入れた方が手っ取り早いかもしれない。
ただ、短期的に良くなるものは長期的には悪くなる一方で組織の弱体化を促す。
すでにいるメンバーの中に存在する潜在能力を引き出すことを指導者は考えなければならない。
そうやってチーム全体のモチベーションを高める仕組みをリーダーが作っていこう!
高校野球やアマチュアの野球は、元気があってチームワークが良ければそれでいい。
しかし、個人の集まりであるプロは、内部で選手同士にライバル心があるほうが、全体に好影響をもたらす。
私は、それがプロのチームだと思う。
リーダーの重要な使命は、その役割を担う人材の育成はもちろん、そのポジションで競わせる仕組みを作ることも大事です。
人間が保持する競争意識を刺激してメンバーの成長を促し、その時点で調子がいい人間が置き換わる。活気あふれる組織だけが生き残れる。
競争意識を持たせて、刺激しあいながらメンバーの成長を促す環境作りをしよう。
若い選手は秋季キャンプの3週間で伸びる。
すごく、伸びる。
よく「心・技・体」というが、私は若い選手、とくに二軍レベルの選手は「技・心・体」の順番ではないかと思っている。
岡田監督は上の言葉に続いて次のような言葉も話しています。
まずは一軍に行くには、最低限このぐらいのことができないと、戦力にならないという技術を教えて上げることが最初だと思う。
すごい技術を教えてやると、選手の食いつき方が違う。
そこで興味を持てば、練習にもより身が入るになるのだ。
リーダーは大きな夢や目標を掲げることは一旦やめて、日々の小さな積み重ねることの重要性を繰り返し相手に時続けよう。
これもリーダーの大事な仕事だ。
新入社員にこの程度かとたかを括らせてはいけない。
おれは、「どういう野球をやりたいんですか?」
と聞かれても、答えはない。
「勝つためにどうしたらいいんですか?」
「このチームのためで勝つために、どんな野球をしますか?」
そう聞かれたら、いくらでも答えられる。
一流のリーダーは専門分野の知識はもちろん、直感やひらめきが凄まじいです。
そして、未来志向です。
未来志向のリーダーの脳内には自然発生して直感やひらめき、アイデアが浮かび上がってきます。
並のリーダーはいつまでも余韻に浸り、敗北を引きずったりしてしまう。
自分の専門分野で勝利へ導くためには頭の中にしっかりしたテーマを叩き込み、精いっぱい直感やひらめきを駆使して成果を上げる。
勝利の思い出に浸ることはやめよう。
私の持論の一つに、監督はマウンドに行くべきではないとの考え方がある。
マウンドにいき、投手、もしくはバッテリーにアドバイスを送るのは監督ではなく、ピッチングコーチの仕事である。
”任せる”というキーワードが監督とコーチの信頼につながるのだ。
メンバーの役割を明確にして、一人ひとりのメンバーに周知徹底しているのは当たり前のようでいざとなるとかなり難しい。
選手との直接的なコンタクトは避けて、自分の指示を明確にコーチに伝え、コーチが自分の口でそれを選手に伝える。
こうすることで岡田監督はコーチの役割と居場所を確保しました。
こうすることでコーチ陣は自分は他人との間でどう関わりを持つのか、自分自身がどういう役割になったらいいのか、絶えず自分が考えながら動く存在になります。
岡田彰布監督の口癖
私は組織には必ず、トップに反論できる人間が必要だと考えている。
バランスよく三位一体を保てたとしても、組織全体が仲良しグループになってしまっては、現状以上の成績を収めることはできない。
現場の全権を託されている1軍監督とは、違った角度の野球観を持つ存在が、チーム内にいてほしい。
そうでなければ、一方通行の組織運営になってしまう可能性がある。
一流のリーダーは自分の側近に自分にない資質を持つ人材を据えることに長けていなくてはなりません。
並のリーダーは自分と馬のあう人間だけをそばに置きます。
岡田監督は自分と違う意見を持つ側近を置くから、彼らの役割分担を定めてすべてを任せることができます。
側近の法則というものがあり、こんな言葉があります。
驚くほど才能に恵まれた人を見ると、才能があるから成功したのだと思いがちだが、それは違う。
自分1人の力で大きなことを成し遂げられる人などいない。自分1人で成功を勝ち取れる人などいない。
リーダーの能力は、手足となってくれる部下がいてこそ発揮できる。
これが「側近の法則」である。
「これからリーダーが志すべことを教えよう」 三笠書房
岡田監督の側近たちの貢献による日本一も過言ではないでしょう。
現役の時から守備が大事だと思ってたとよ。
打者はよく打っても3割。
10回のうち、7回も失敗するし、打つ方はそんな期待できん。
対して守備率は10割に近づけるやろ。
岡田監督はグランドで戦うメンバーの適材適所を重視してチームの力を最大化を実現することだけを考えています。
選手の働き場所を明確しているからこそ、選手も責任が生まれ結果が出なければ自分の責任という覚悟を持たせることにつながります。
一度貫いたことは1年間のシーズンを通してい貫き通す。
監督がブレないから、選手たちはブレることなく目の前のプレーに集中することができます。
リーダーならメンバー1人ひとりの役割をわかりやすく伝え、彼らに精一杯期待することです。
結果、メンバーは自発的に組織に貢献するパフォーマンスを発揮してくれます。
勝ち負けには必ず理由がある。
いや、なければならない。
なぜ勝ったのか説明できなければいけないし、負けた時も敗因が必ずあるものだ。
例えば、今日は自分たちはいい試合をしたけれども、たまたま相手が上回った。
投手起用の順番を間違えた。
すべての結果には必ず理由はある。
勝ち負けの原因を追求をする上で大事なことを岡田監督は次のように言っています。
もう一つ大事なことは、負け試合で戦犯を創らないこと。
1人の主力バッターが打てなかったから負けた、という状況を作ってはいけない。
ただ、勝つ時は1人のヒーローでもいい。スタメンのうち8人が1本もヒットを打てなかったが、1人が4本ホームラン打って勝った。そんな内容でもいい。
勝ちゲームは自信を与え、負けゲームは欠けているものを教えてくれる。
勝ちに不思議な勝ちなし、負けに不思議な負けなしと考えるようにしよう。
わたしは、絶対に敗戦処理という言葉は使わなかった。
ブルペンでも、投手陣が敗戦処理と言ったら、怒った。
ああ負け試合やと思ってマウンドに行くのと、踏ん張ればなんとかしてくれる、自分が抑えればまだこの試合はわからないぞと思うのでは全然違う。
監督やリーダーは部下のモチベーションを上げるスキル、言動が取ることが必要です。
岡田監督は目立たない選手をその気にさせる天才と言えます。
控え選手のモチベーション向上はチームに良い化学反応を起こさせます。
控え選手のモチベーションが上がるとチームに活気が湧き、ベンチから声が飛び交うようになります。
2流のリーダーはレギュラー以外ほったらかしにしてレギュラーが欠場して真のチーム力が発揮される場面でボロが出ます。
一方、岡田監督は控え選手の起用の機会を常に伺っています。目立たない人材を精一杯活用しよう。
「見極め」ということをわたしは何度も言うけど、
監督には1番大切なことだと思う。
正確に言えば、「より早い見極め」。
必要なのはこれよ。
早い決断をすることが大事。
早い見極めとは、早く決断するとということでもある。
勝利を常に求められる監督やリーダーの立場の人間は普段から直感を働かせて即断即決を実行するスキルを高めなければなりません。
その決断が正しいか間違っているかは二の次です。
監督やリーダーには直感を働かせて即断即決を果敢に実行できなければならない。
岡田彰布監督の「そら、そうよ」
監督をするにあたって自分がやりたい野球というものはない。
自分のなかにはいろいろな引き出しを持ったうえで、そのときのチームに事情に合わせた野球をする。
岡田監督をはじめ、百戦錬磨のリーダーたちは与えられた試練を乗り越え、戦いの中でメンバーの潜在能力を引き出し、チームを勝利に導く戦力を練ることができます。
カナダのカルガリー大学の研究でも「こういう局面では、どうすればいいのか?」とプランや作戦を練っている人間ほどビジネスで成功しやすいという事実を突き止めています。
岡田監督のように四六時中、頭のなかでチームの戦力を最大化させる戦略を練って、実行することこそ一流のリーダーの証でしょう。
優秀になりたければ、四六時中、考えを巡らせよう。
ベンチにいるとき、オレは先の先を考えて采配している。
常に次をどうしようか頭を働かせているわけ。
そら、表情が険しくなることもあるよ。
ただ、2023年は自然と笑顔になることも少なくなかった。
カナダのカルガリー大学の研究結果では小規模の経営者を対象にしたどのような経営者の企業が成功しているかについて次のような結論を出しています。
「こういう場面ではどのような作戦を実行すればいいか?」ということを先回りして考えている経営者がいる組織ほど大きな利益を生み出し、会社を成長させている。
ただ勝ちたい、儲かりたいと考えて思うだけでは、欲しいおやつを指咥えて待つ子どもと同じです。
選手やファンはもちろん、先人たちに対し、どうすれば彼らにチームの勝利に届けることができるかについての思いを馳せる。
何事も先回りして的確な解答を導きだすスキルが伝統を受け継ぎ、現在のチームを勝利へ導くリーダーには必要です。
感謝。
アレを達成できたのは選手、コーチ、裏方、ファンの応援のおかげ本当にありがとう。
岡田監督ほど選手やコーチ、裏方やファンへの感謝の気持ちを忘れないリーダーを探すのは、とても難しい。
ヤクルトを常勝軍団に導いた故人・野村克也さんも裏方を大事にするリーダーの1人でした。
岡田監督は1985年の阪神が日本一になったとき、選手会長だったときから裏方へのリスペクトを忘れなかった。
打撃投手、スコアラーといった試合で陽の目を浴びることがない裏方への心配りを欠いた選手ではなかったのです。
食事を奢るだけではなく、オフにはフロントとの昇給交渉にも尽力したと言います。
「このリーダーは自分のために尽力してくれている」とメンバーが考えることができれば、
自然とメンバーは「このリーダーについていこう。このチームに貢献しよう!」という気持ちになります。
一流リーダーほどチームメンバーへの感謝を大切にすることの測り知れないパワーを熟知しています。
見栄を張らず、ともに戦うメンバーへの感謝を大切にするリーダーになろう。
チームとしてどういう野球をすれば機能するのかを考えて、シーズン通して戦ってきましたし、
現場だけではなく、編集部門やスカウトが毎年積み重ねて生え抜き中心のチーム作りをしてきた結果が、
日本一という最高の結果に結びついたと思います。
現役時代の岡田監督を知っているファンは選手と監督ではスタイルの違いに気づいているかもしれないです。
現役時代は豪快なバッティングのイメージがあるでしょう。巨人の槙原投手から、バース、掛布、岡田の3連発はとても有名です。
しかし、監督はフォアボールを重視して相手ピッチャーに球数を投げさせて1点差のゲームを勝ちきるなど緻密な野球を展開する監督です。
与えられた戦力を、どうやって目いっぱい駆使してチームを勝利に導くことができるか。
メンバーの得意と不得意を冷静に判断し、どの局面で誰を起用するか。
リーダーである監督の力量はその頭に委ねられている。
だからこそ、現役時代の成績なんかは監督としての采配や優勝に相関がないのだろう。
やっぱり、クリーンナップを打つ主軸が外野に行ったり、内野に行ったりね••••••
あんまりコロコロ変わるといいことないと思うんですね。
しっかり打つほうに専念させてやらないといけない。
リーダーは自分の信念を貫くだけではなく、その信念を理由とともにメンバーに伝え理解してもらう必要があります。
自分が信念を貫けば、たとえそれが実らない結果だとしても後悔することはないでしょう。
メンバーはブレブレのリーダーでは不安で、信念を貫くリーダーについていくことを知っておこう。
勝ちにこだわるか、若手を育てるか、なんて議論があるけど、これもおかしい。
観客は、ファンは、どっちを見たいのか?
勝つのを見たいに決まってるやん。
勝てないなら、若手を使えと、優先順位はそういうことやろ。
勝利への執着はとても大事だ。
しかし、リーダーにとってそれ以上に大切なことは、スパッと終わってしまったゲームに浸ることなく明日のゲームに備えることです。
ゲームに勝利した、すなわちもうそれは終わったこと、過去のことにすぎないです。
それに酔いしれている暇はありません。
終わったことを葬り去り、新たなチャレンジをチーム全体に促すのがリーダーの役目でもある。
私は、本来、常に最悪のケースを想定している。
言わば、マイナスからのスタートを考えているわけだ。
指揮官はプラス思考ではいけないとおも考えている。
この考えは故人・野村克也さんも同意見です。
監督は常にネガティブでなくてはいけない。
選手と同じように目の前のプレーで感情を出したり、ガッツポーズしてはいけない。
選手たちが冷静を欠いた状況で監督は、ブルペンの状況やこの試合を逃げ切り、勝つための策を次々と打たなくてはいけない。
岡田監督はこれまでの阪神の弱小時代の歴史をこう語っています。
監督になった時、私は改めて暗黒時代のことを思い起こしていた。
チームというのは一朝一夕で強くなれるものではない。
伝統と歴史があり、栄光と挫折がある。その繰り返しだ。
フロントにとっても、現場にとっても反面教師があり、収穫があり、それが未来につながっていく。
負の歴史があったからこそ、学ぶものがあり、強者への道が拓けた。
ピンチはむしろチャンスである!
監督采配は結果が全て。
どんなやり方してもいい。
勝ったら、そのやり方が正しかったということになる。
万全で行っても打たれても負けることもある。
それは采配ミスと言われても仕方ない。
采配とは結果なのだから。
岡田監督の有能な監督は直感のパワーを熟知しています。
勝ち組の組織の共通点は、その組織の最高責任者の論理ではなく、直感によって最重要の決断がくだされているという事実があります。
普段から何ごとにおいても直感によって決断する習慣を身につけていなければならない。
リーダーなど仕事で決断する人は普段から「なんとなく正しい気がする」という感覚を大事にしよう。
岡田監督の「普通にやったら」の言葉の真理
2023年、最も発した言葉は「普通にやればいい」やったと思う。
だが、それは簡単なことではない。
普通に戦う難しさ。
それが分かるだけに、選手は無理難題を押し付けているか、結構、考えもしたよね。
岡田監督の口癖は「普通にやれ!」です。
それをもっと具体的な表現をすると「ビッグプレーやファインプレーは必要ない」という主張につながるのではないでしょうか?
野球のプレーで「普通にやれ!」の具体的な策はとは、四球という地味なプレーでコツコツと出塁し、それを機に地道に点を稼ぎ、勝利を確実なものとしていく。
リーダーなら理屈抜きにチームを勝利に導く地道な戦略をたて、それをわかりやすく伝えて実践してもらうことが求められます。
いつも選手に言ってたのは、「練習の力を試合で出せ」ということ。
背伸びする必要はないし、現状の力をそのまま出せばいい。
1人ひとりが自分の力を出し合って、その結集体がチームなんやから。
この言葉から岡田監督は選手に地面に足をしっかりつけ、平常心でプレーすることの大切さを説いています。
たとえ頑張らなくても平常心でベストを尽くせば、自ずと結果はついてきます。また岡田監督は次のように続けています。
力を抜いて、普段通り向き合えば、必ず結果が出る。
選手もそれを理解し、うまくメンタルコントロールができていたように見えた。これも成長なんよ。
チームとしての成長、これがオレには頼もしかった。
自分の力を出し切るというシンプルな表現を繰り返し解き続けたから、選手は力を発揮することができた。
ひっくり返されたけど、お前らは思い切ってやればいい。
責任は誰かが取らなあかん。
俺が辞めたらいいんやから。
チームがよくない状況に立たされた時、そのチームのリーダーはどんな言葉を発するだろうか。
「メンバーが悪い」「景気が悪い」「ビジネスモデルが良くない」
そんな外側の良くない要素に責任転嫁をしてしまっているリーダーがいるならリーダーがチームから降りるべきです。
状況が良くないことが起こったとき、メンバーを責めるのはやめよう。
メンバーを攻めるのではなく「最終責任はそのチームの監督、リーダーにある」と考えて潔くその後の進退を決断しよう。
まずはメンバーに「チームの全責任を自分が負う」と公言しよう。
阪神タイガースについての名言
運のいい選手と、そうでない選手はいますよ。
ずっと調子が悪かったのに、一瞬、推薦したくなるような活躍してくれると、その選手の名前を挙げてしまうし、逆に、ずっと調子が良かったのに、たまたまそういう時期に調子が悪くなる選手もいる。
チャンスは一発でモノにできないとね。
岡田監督の采配のすごいところの一つが運のいい選手をタイミングよく起用する嗅覚に長けている点です。
ただ単に調子のいい選手を起用したらいいわけではありません。
最近当たっている選手を打順を上位にあげたからといって打線に効果を発揮することはそう簡単なことではありません。むしろ、リスクにもなります。
その時々で調子のいい選手ではなく、運のいい選手を起用する嗅覚を持っているのが一流リーダーの証です。
まずはあなたが運のいいリーダーになろう。
選手がかわいいのは当たり前。
いざ勝負となったときに、どうするか。
勝つために、非情にならなアカンときがある。
あんまり、「優しい、優しい」と言われていたら、そんなときに困るよ。
力のないものは落ちていく。
そういう世界なのだから。
メンバーはリーダーの采配に想像以上に敏感です。
リーダーの表情、一言一句を気にしています。
一部のメンバーを特別扱いした時点でそのリーダーの人望は失墜してしまう。
リーダーは起用法は一貫しており、かつ好き嫌いを度外視し、最高のメンバーをグランドに立たせることがマストです。
仮に、個人間で連絡先を交換し、毎日連絡をして関係を築いて勝負の場で情が移ってしまうようではリーダー失格です。
メンバーから嫌われても公平にその時々で調子の1番いいメンバーを使うという鉄則を貫くリーダーこそ勝利へ導ける。
何事も結果が全て。
こういう教え方をしたら勝てる、というのはない。
答えがないから、勝たなアカンのよ。
勝てばあの指導が良かった。
監督のやり方は正しかったということになる。
組織のリーダーは、そのチームの全責任を負うからこそチームの采配権を与えられています。
覚悟のあるリーダーはどこを見渡しても多くはありません。
岡田監督はファームは育てることが目的で勝つためにやっているのでないという意見に対して猛烈な批判をしています。
ファームの試合だろうが、プロの試合において育てるために負ける試合なんて存在してはいけないと語っています。
リーダーはチームを勝利に仕立てる必要があり、それには答えはあっても正解がない。
だから四六時中、勝利のために思索を積み重ねることが責務です。
私の指導理論の根本は”長所を伸ばす”ということだ。
プロ野球の現場には真逆のスタイルのコーチが少なくない。
欠点ばかりを探して、そこを集中的に矯正していこうとするけれど、指導の最初の段階でそれをやっては絶対にダメだ。
短所の矯正よりも長所を伸ばすことが先決なのである。
世の中には相変わらずメンバーの短所を叱ったり、欠点をしつこく追求したりするリーダーが幅を利かせている。
それではメンバーは萎縮してしまい、本来の力を発揮することすらできない。
とくに叱られ慣れていない若者はその傾向にある。
岡田監督は選手育成において次のようなコメントを残しています。
コーチの中には「オレが教えたから成長した」と、手柄にしたがる人間が必ずいる。
だから最初からイジろうとする。
その指導をまともに聞く選手は、気がついたら、矯正どころか、本来のフォームまで忘れてバラバラになってしまう。
こういう指導方法は絶対にアカンと思うし、自分はそんな指導はしない。
教える教育から育てる教育に意識改革しよう。
もうオレもトシがトシやし、長くはできない。
ただ戦う上において、年齢は関係ないところは見せてやる。
若いチームだけど、オレはギャプを感じない。
教えること、勝たせることは、いつも同じよ。
それが1年経って、みてみいや。
勝負の9月に11連勝って、考えられるか。
ホンマ、強くなったし、これからまだまだ強くなるわ。
これ、オレが保証するから。
岡田監督は選手と絶妙な距離感で接しています。
普段のコミュニケーションをとることよりもメンバーをしっかり観察するスキルに重点をおいています。
メンバーとの距離感を近からず、遠からず絶妙な距離感に身を置き、メンバーが気づかない問題点を指摘して成長させてくれるリーダーは部下からの信頼も厚い。
毎年毎年、勝つに越したことはないが、それは至難の業だ。
それなら今年はたとえ勝てなくても、次の年につながる期待を持たせるチームであってもいいと思う。
私はよく、「魅力のあるチーム」という言葉を使っていた。
「魅力のあるチーム」とは、「魅力のある選手が、たくさんいるチーム」である。
岡田監督は目の前のゲームを勝利に導く采配をしながら徹底した未来思考を貫きます。
意識を未来に置きながら、成長と進化を常に考え巡らせる。
優勝が難しいシーズンであれば、これからお客さんが見に来たくなるような選手を作る時間に充ててもいい。完成された選手ではなく、1〜2年後に期待できそうな選手を育てる。ファームで応援してきた選手が甲子園で活躍すれば、ファンにとっても喜ばしいことに違いない。
未来の成長もリーダーのやるべきこと、将来を見据えて成果を上げていこう。
いろいろと目指すべきチームスタイルがあった。
オレは野球の原点、「守りの野球」をこれまでと同じように掲げた。
岡田監督の座右の銘は「貫」です。
信念を貫くことをは簡単なようで、とても難しいことです。
2023年シーズンを迎える前のキャンプでは次のようにメディアに公言していました。
若い選手に一軍で通用するだけの力をつけさせること。オレは「みる」ことだけに終始した。
そこに新たな発見がある。
先入観を取り払い、純粋な力量や将来性をみることでジャッジした。
力のある若手が多かった。思ったいた以上に足が速いとか、肩が強いとか。
新たな発見とはそういう部分であり、それが適材適所にの配置に繋がったと振り返ることができる。
一流リーダーの観察力は半端じゃないです。
選手を観察する行為は何のアドバイスをしなくても、とても効果的な指導です。
メンバーを観察することの大切さを自覚しよう。
私は、スクイズのサインは出さない。
「次のボールでスクイズをやらなければならない」
というプレッシャーはえげつないものだ。
正直、選手にそんな気持ちにさせたくない。
岡田監督のような一流リーダーはメンバーへの指示を最小限にとどめるシステムを踏襲しています。
事細かに指示を出すチームのメンバーは自分で考えることを放棄してしまいます。
監督の指示だけを仰ぐようになり、自分の感性や直感を信じなくなってしまいます。
そして、監督と選手との信頼関係も崩れてしまう。
それぞれある程度の力量があるのだから、指示は最小限にとどめ、自分で考える機会を目いっぱい与えよう。
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