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大田ドリームス|「野球を楽しむ」ための環境作りと初心者でも活躍するチーム作り

近年、アマチュア野球にはいろいろな観点で課題が出ています。

特にSNSやメディアで話題になるのが、保護者会に関すること、野球競技人口の減少です。

昨今、そんな課題ばかり挙げられているアマチュア野球の現場は一体どうなっているのか取材をしてきました。

今回、取材のご協力頂いたのは東京都大田区の大田ドリームスの指導者と選手に取材をさせて頂きました。

このコンテンツで得られるメリットは次のとおり

・現代にあった野球指導の方法がわかる
・選手が主体的に取り組むための環境作り
・チームと保護者の良好な関わり方

野球チームの指導者や部活動で顧問を受け持つ先生らにぜひ見てほしい内容になっています。

子どもたちをどのようなコミュニケーションを取ると良好な関係を築き、好きなことを全力で取り組むことができるのか、そのヒントが詰まった内容になっています。

チーム紹介

チーム名大田ドリームス
活動拠点東京都大田区
所属リーグ大田区城南少年軟式野球連盟
大田区軟式野球連盟
関東中学生軟式野球クラブリーグ
結成時期2002年
活動日、頻度土、日、週2回以上
月謝4,000円
(うち2,000円が合宿積立金)
スポーツ保険1,400円(年間)
遠征費別途
引用:大田ドリームスHP

指導者インタビュー

今回、大田ドリームスの事務局、コーチを務める潮田(うしおだ)さんと監督の早坂さんが取材に応じてくれました。

早坂さんは大田ドリームスのOBです。

年齢は20歳の若手監督に指導者になった経緯から指導方針まで野球指導に関するあれこれを聞きました。

指導者になった動機を教えてください

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一言でいうと中学野球への恩返しですね

私は中学から野球をはじめて、高校まで6年間選手としてプレーしました。

私は中学から野球をはじめたので未経験の状態で大田ドリームスに入部しました。

その後、高校でも3年間野球を続けることができました。

私が高校まで野球を続けてこれたのは野球未経験の私を指導者たちが親身になって野球を教えてくれて、野球の楽しさを知ったからだと思います。

そんな中学野球生活を送ることができた大田ドリームスに次は自分が指導者になって、自分がしてもらったように学生らに野球を教えていけたらという想いですね。

指導のモットーを教えて下さい

僕が大田ドリームスでプレーしてた時のように主体的に選手たちがプレーすることは大事にしています。

選手は指導者がいなくても勝手に理解してプレーが上達していきますからね。

一番、僕が選手に言っていることは野球以外のことです。

例えば、今日外部の人が取材に来たときに目を見て挨拶をするとか、親に準備してもらった道具やリュックを綺麗に並べるとか。

リュックとクーラーボックス、バットケースをそれぞれ分けて整理して揃えていました

野球選手の前にまず、学生としてどうあるべきか、そんなことを大事にしています。

その面は厳しく指導していますし、挨拶をしない選手や道具を雑に扱うことがあれば厳しく叱ります。

中学生を指導するにあたり、大事にしていることを教えて下さい

自分の考え、これまでの価値観を押し付けないようにしています。

例えば、僕がプレーしていた頃はアッパースイングの選手はダウンスイングにしろとアッパースイングが治るまで矯正させられていたと思うんですね。

でも、それは昔の話であって、今はプロでもアッパースイングで活躍している選手もいます。

だから、「自分たちの時はこうだったから」という固定観念はなくしています。

指導を長く続けていると、タイプ別に分ける人がいると思うんですよね。

こういう選手はこうしたらこうなると。

それは指導の蓄積があるからこそできることだとは思います。

でもそれって自分が作った型にハメていることでもありますよね。

似たような選手はいたとしても、同じ選手なんて一人もいないわけで、私を含む指導者はその子にあった、伝え方やアドバイスをしないと行けません。

選手が成長できるため、チームが勝つためにはどうアドバイスをしたらいいのか、ゼロベースで考えるようにしています。

大田ドリームスで野球をする魅力は何だと思いますか?

2つあると思っていて、1つは野球を未経験から始められて、成長できること、もう1つは大田区のレベルの高いチームと戦うことができることだと思います。

僕自身、中学から野球を始めたので、一般的には野球を始めたのは遅い方だと思います。

それでも高校ではキャッチャーやサードでプレーができたのは大田ドリームスでプレーで指導者の方に野球を教えてくれたからだと思っています。

大田区は硬式野球よりも軟式野球が盛んです。なので、大田区のレベルも高いです。

私が入部してたの1年生の頃は1年間で1勝もできませんでしたね。

勝てませんでしたが、みんなだんだんと成長していき、徐々に勝つことができ、3年生の頃には区大会決勝まで進むことができました。

簡単に勝てないからこそ、ちゃんと練習して上手くなろうとするし、それが成長につながり、結果的に勝つこともできたりします。

育ち盛りの選手は怪我が懸念されると思います。
選手の身体のケアはどのような管理やケアをしていますか?

1年に1回、知り合いの医師の方に来ていただき、選手全員エコーで検査を行っています。

その検査で怪しいなと思う選手は整形外科にいって検査を受けてもらっています。

どこか痛めてたり、違和感があると不安になりますよね。ケガしても騙しだましプレーする人っていると思うんですよ。で、取り返しつかないくらい損傷していてとか。

そうならないように、選手から指導者に「〇〇が痛いです」とかノックの練習中にも自分のタイミングで水分補給にいったり、何かあったらすぐに指導者に言える関係性をきずいています。

近年、学童野球の保護者会の愚痴が溢れています。
保護者の負担や決まりごとはありますか?

基本、ないです。

当番もないですし、監督らにお茶だしとかもないです。

チームを辞めちゃう子の大半の理由ってその子の親と保護者会、指導者が揉めてしまってやめることが多いんですよね。

こどもは野球が好きで、嫌いになったわけでもないのに親の都合で野球を辞めてしまうことがある。

子どもは野球が好きなのに大人の事情でチームを辞めないといけない。

それってあまりにも可哀想じゃないですか。

そういうことがないように、指導者と保護者もコミュニケーションを取るようにしていますし、些細な相談事でも対応して信頼関係をきずいていけるようにはしています。

これから入部を考えている学生、保護者に一言お願いします!

大田ドリームスはうまい選手しか入れないとか、そんな決まりは一切ありません。

このチームのOB、そして指導者になって言えることは大田ドリームスは1番選手が伸びるチームということです。

私も大田ドリームスに入部したとき、10人のうち私を含めた4人が野球未経験で入部しました。

1年生の頃は1勝もできませんでしたが、それでも指導者が親身になって指導をしてくれて、誰もやめることはありませんでした。

3年生の時には区大会決勝まで進むことができました。

高校に進学しても大半のOBが高校で野球を続けてくれているのは、大田ドリームスで野球を知り、野球の楽しさを知ることができたからだと思います。

選手が中学3年間野球をして「野球って楽しいな、やって良かったな」って思えるチームなので、興味のある方はぜひ見学に来てください。

選手インタビュー

3年生のキャプテン・鈴木くんにも快くインタビューに対応して頂きました。

中学生とは思えないくらい、ハキハキ喋ってくれました。

これからの目標について堂々と語る姿は大人である私も見習うべきだと感じました。

大田ドリームスに入部した動機を教えてください

小学生の頃の1個上の先輩が大田ドリームスでプレーしていました。

それもあり、見学に行き、チームの雰囲気が良かったので大田ドリームスに入部を決めました。

大田ドリームスに入って良かったことを教えてください

大田ドリームスは指導者が多いので、練習中に教えてもらえないことがありません。

例えば、キャッチャー練習だと選手と指導者のマンツーマンで練習ができます。プレー中に悪いことがあれば言ってくれます。

指導者が「〇〇だからこうしろ!」と言ってくることはなくて、「〇〇だからこうした方がいいんじゃない?」とか「なんでエラーしたと思う?なんで打てないと思う?」選手に考えさせることが多いです。

試合中にヒットが出ない選手をよんで一緒に考える潮田さん(手前)

指導者の言いなりにならずに主体的に考えてプレーすることができました。

自分の長所も理解してくれて強みを伸ばすことができたのも大田ドリームスの指導者のおかげだと思います。

また、野球だけじゃなくて勉強もおろそかにしないように対策をとっています。

中学になると高校受験でテストで点数をとって、いい成績を取らないと自分の希望する学校に行けません。

大田ドリームスでは指導者や保護者の中に勉強の方法を教えてくれる人がいて、その人らのおかげで1年から2年、2年から3年とテストの点数がどんどん向上しました。

テスト期間中は、自主参加なので勉強がおろそかにならないように自分で休みをとって勉強をする環境を整えられていると思います。

野球のせいで勉強が愚かになった、なんて言うことはないです。

選手からみて指導者はどのようにうつっていますか?

僕らから見て、指導者の方は目上の人ってよりも仲のいい先輩みたいな関係性に近いと思います。

どうしても目上の人だと、何か指示やアドバイスがあるとそれに「はい!」と答えるしかないです。

でも、コーチ、監督らとの会話で「はい!」だけ言って終わりことはほとんどなくて、「こうしろ!」と圧をかけられることはなくて、動画を撮ってもらったりして「〇〇は今こんな動きをしているけど、自分ではどう思う?」と選手らに考えさせることが多いです。

その自分の考えを尊重した上でこうした方がいいよとアドバイスをしてくれます。

なので指導者に何かあった時に声をかけづらいとか一切なくて、信頼関係ができている

また、怪我した時にグランドに参加するけど、何も練習しない干されることがあると思います。

大田ドリームスではそんなことはありませんでした。

怪我人は怪我して体力が落ちないように基礎体力をつけたり、できる範囲でトレーニングをして復帰してすぐにチームの練習についていけるように工夫してくれています。

これから入部を考えている小学、中学生に一言お願いします

野球をやってみたい、そんな中学生がいたらぜひ大田ドリームスに入部をしてきてください。

今の一年生は小学生の頃はサッカーをしたり、水泳をやってたり野球未経験者もいます。

そんな選手らも、3年生にもなると小学生から野球をやっていた選手と遜色ないくらいに上達しています。

中学生っていきなり上下関係を意識しないといけなく、それに嫌気がさしている学生もいると思います。

でも、大田ドリームスでそういった上下関係はなくて、1年生と3年生が会話をすることもよくあり、仲がいいです。

もちろん、試合に勝つため、上手くなるために集まって練習、試合をしているので厳しく指導されることもあります。

大田ドリームスに入部して後悔することはありません。

私は大田ドリームスに入って今の自分があると思っています。

高校ではもっと自分の強みを伸ばしていき、レギュラーとしてプレーできるように頑張ります。

将来はプロ野球選手になれるように頑張ります!

OB保護者・現役マネージャーインタビュー

また、OBの保護者でもあり、今もなおチームのマネージャーとして活動している方にお話を伺いました。

どうしたら子どもらが主体的に勉強に励むようになるのか、そして、高校で勉強も頑張る球児になるためには?

そのヒントがお話の中で見つけることができました。

高校でも勉強で苦労しない中学生活の過ごし方

野球をさせる上でどの親も高校進学について不安を抱いているのではないかと思います。

それはもちろん、我が子ですから不安になるのは当然で、指導者も進路のサポートもしてくれます。

大田ドリームスの指導者の進路サポートのいいところは、その場しのぎにしないことです。

学力もあんまりよくない生徒をどうにか希望の高校に進学させたいとします。

そうなると、親は指導者のコネや推薦を使って是が非でも進学させたことが進路サポートだと思いがちです。

大田ドリームスは、まず勉強のやり方から指導をしてくれます。

成績がよくない学生の大半が勉強のやり方がわからない子たちばかりですから、そこを学校の先生ではなく指導者、保護者でサポートをする。

私の息子も高校で野球を続けながら勉強に励んでいます。

もちろん、中学よりも練習量は増えていますが、勉強で苦労はしていません。

それは高校に進学する前に大田ドリームスでしっかり勉強する習慣を身につけて高校に進学したのが要因なのではと思います。

最後に

大田ドリームスの指導方法は現代の選手ら、ビジネスの若手育成の場面においても取り入れた方がいいと思うことがたくさんありました。

野球を楽しむ、それは勝手に好きなようにプレーさせることではなく、楽しむの裏側には

  • グランド整備、球場設営を自分らでやる
  • 親に準備してもらった道具を大切にする
  • 人の目を見て挨拶をする
  • うまくいかない時には指導者と考え改善の策を考える
  • 勉強もおろそかにしない

などと目の前のプレーを全力でプレーするためには指導者らが環境を整えあげること。

そして選手が「どうしたら上手くなれるのか?」主体的に考えることではじめて野球を楽しむことができていると感じました。

今回、取材にご協力頂いた潮田さんはじめ、大田ドリームスの選手、保護者の方々、ありがとうございました!

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