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【ハイライト動画あり】全日本大学野球選手権大会準決勝 明治対白鴎

6月5日〜11日にかけて行われた全日本大学野球選手権。

今回私が現地:明治神宮球場で観戦を行った準決勝 明治大学対白鴎試合の結果と観て気づいたことなどをお伝えします。皆さんにとって少しでも新たな気づきがあればと思います。

試合結果

試合結果は以下の通りです。

123456789
明治0001001046
白鴎0000000000

明治・久野、藤江、浅利、石原ー小島

白鴎・松永、池田、山田ー浅野

得点シーンハイライト

試合ハイライト映像はこちら↑

【明治】4回表:1アウト2塁で6番木本が初球を捉え左中間を破るタイムリーツーベースで先制点を挙げる

【明治】7回表:1アウト2塁で2番飯森ファーストゴロが相手エラーで2点目を追加

【明治】9回表:0アウト2塁で1番堀内初球を捉え右中間を破るタイムリースリーベースヒットでダメ押しとなる3点目

2番飯森内野前進守備の頭を越える打球でショートへの内野適時打相手エラーで2塁へ

0アウト2塁で3番宗山初球を捉え右中間を破るタイムリースリーベースヒットで5点目

4番上田のセンターへの犠牲フライで6点目を挙げる

明治は4投手の継投で白鴎打線を6安打完封に抑えた。明治大学は今大会初戦からの無失点記録を25イニングに伸ばした。明治は初回0アウト2、3塁のピンチを招くも先発の久野が自己最速の152キロをマークするなど力強いストレートを軸に後続を断った。

明治はこの試合準々決勝に続くノーエラーで守った。明治は決勝戦の成績は6戦6勝。

」準優勝は一度もない。明日の決勝にも自信を持って挑む。

準決勝:富士大対青山学院のハイライトはこちら

試合詳細情報

攻撃

明治:この試合、相手のミスで生まれたチャンスで得点に繋いだ。

先制点のランナーは四球で出したランナーを手堅くバントで得点圏にランナーを置くと初球のストライクを取りにきたストレートを逃さず先制点を挙げた。

9回の1番から3番まで続いたタイムリーヒットは全て、ファーストストライクを捉えている。

明治打線の積極的な姿勢がチャンスの場面で見られました。

また、明治打線はしっかり球種を絞ってバットを振り抜いていました。

 前の打者がスライダーを打ち、塁に出ました。

相手バッテリーとしては同じ球種を投げる確率は当然低くなります。

となると次に投げる確率の高い球種は「ストレート」になります。

塁に出たランナーが足の速い選手ならその可能性は尚更高くなります。

そのストレートを一球で捉える場面が見受けられ、きちんと考えてプレーしているなと思いました。

この試合で5個の犠打を決めるなど、毎回得点圏にランナーを置いて試合を展開していた。

白鴎:初回にまだ安定しない立ち上がりを1番、2番がチャンスを作りクリーンアップに繋ぐも内野ゴロと内野フライで凡退に終わってしまった。

白鴎が完封で負けた大きな要因だろう。

「1イニング目」「1打席目」「初球」と始まりのところで負けてしまった。

クリーンアップのバッターはチームがホームランが打てるなどの技術以上に「ここで打ってほしい!」という場面で打席に立ち、期待に応え打つバッターだろう。

この試合でその快音は響かなかった。

序盤から終盤まで完璧に抑えられた訳ではなく、終盤まで塁に出るもこの試合「送りバント失敗」が目立った。

明治が5個の犠打を記録しているのに対し白鴎は「0」3度失敗をしている。

うち、一度は空振りでキャッチャーからの牽制でランナーがアウト。

これでは初回のビックイニングしかチャンスはなかったように思う。

トーナメントで勝ち進むと得点に繋ぐチャンスや長打構成での得点はほとんど見込めないだろう。

いい投手になればなるほどチャンスや失投は試合の中で何回も巡ってきません。

野球はどんな試合でも両チーム27個のアウト、すなわち、「ミス」をするのだ。

野球は失敗のスポーツだ。”失敗をしたら負けるではなく、一つでも失敗を減らした方が勝つのだ。”そう思わされた試合だった。

投手・守備

両校の先発投手、出身高校を見ると高校野球を知っている人なら一度は聞いたことのある私立の高校でした。

両大学、この試合は継投で試合を展開していました。

明治バッテリーは白鴎打線をわずか6安打0点で白鵬打線を抑えている。

白鴎バッテリーは10安打6失点。白鴎バッテリーは被安打の割にはかなり失点をしているように思うだろう。

6点のうち、4点が9回の4連打。

今大会では終盤にかけて得点を挙げていた明治打線。

この試合でもその力を存分に発揮した。なぜ、6点もの失点をしてきたのか?

やはり「四球」が必ずと言っていいくらい敗因に絡んでいる。

先制点のホームを踏んだランナーは「四球」で塁に出している。

長打を打たれるよりも四球はインパクトが小さいが、キャッチャーをしていた私は四球ほど失点に絡むと痛感してきた。

同レベルのチームと対決との試合ではスコアに顕著に現れてくと痛感しました。

また、疑問に思ったのは9回に1番打者に対して3ベースヒットを打たれ、ダメ押しとなる3点目が入ったときなぜ、タイムをとり「間」を取らなかったのか?

野球とは「間」のスポーツであり、「団体スポーツ」です。

いくら優秀な選手を全国から集めても、点の集まりで結束力に乏しいと安定した強さは発揮することは難しいでしょう。

9回、最後の攻撃になんとか最高の流れで繋ぎたいと思うのなら、点は取られては仕方ないですが、点をとった後に「間」を入れるべきだと思いました。

先頭打者へのタイムリーで一気に流れが明治に傾いたのは気づいたのなら、そのまま明治の流れのままプレーしていては、アウトにできる打者もできなくなります。

 点を取られる前にこのまま投げたら『まずいな』という雰囲気を察知し、未然に防ぐのがベスト。

キャッチャーの嗅覚とも言えるところです。

その次にできる対策は大量失点を与えないこと、最小失点で抑えることです。

僕には9回の4点という失点は防げたのではないかと思いました。

 逆に明治は毎回ランナーを出すも、きちんとコースに投げ分け、打ち取るリードは素晴らしかったです。

初回、1、2番に連打を浴びた後に先発の久野投手は一段とギアをあげ、立ち上がりからこの試合最速152キロをマーク。変化球を低めに集めたピッチングは素晴らしかったです。

久野投手はまだ2年生。今後の成長が楽しみな投手でした。

続く投手も塁には出すも要所をきちんと抑えて得点を与えない投球はチームに流れを呼び寄せる投球でした。

明治の外野の守備位置に注目してみると、定位置と呼ばれる守備位置にはポジショニングしていませんでした。

一般的な守備位置はこの通り

これは打者による特徴を理解している守備位置だなと思います。

右打者の場合、レフトは左中間より、センターは右中間よりライトはライト線よりにポジショニングし左打者の場合はレフトはレフト線寄りに、センターは左中間よりに、ライトは右中間へとポジショニングしていました。

特に左打者の打球はレフト線へと切れていく打球が多いです。

プロ野球の試合や高校野球の試合観戦を見る機会があれば、そういった打球の放物線の描き方も注目してみると新たな気づきが得られるかもしれまん。

私が現役でキャッチャーをしていた頃、特に中学時代はこの守備位置にポジショニングさせていました。

右打者の場合、左中間の捉えた打球もアウトになる確率は高く、左打者のギリギリフェアゾーンに落ちる打球もアウトにできます。

分析・気づき

私が現地神宮球場のバックネットの真後ろから試合を観戦して感じたこと、データについてお伝えしていきます。

試合の中で明治大学の配球に特徴があることがわかりました。

久野投手の時、チェンジアップを2球続けた時、次の球は必ずインコースにストレート”を投げます。

序盤は初球は変化球でカウントを作り、勝負球はインコースにストレートを要求していました。

おそらく、この試合キャッチャーはブルペンの時からストレートが調子がいいことを感じていた、あるいは、久野投手の武器は150キロを超えるストレートに1番自信があるのかもしれません。

また、試合を通して3球連続でインコースには投げないこともわかりました。

試合の序盤と中盤ではカウントの作りかた、変化球を投げていたが、初球からインコースのストレートに投げ、最後に変化球など配球を変えてきたり、1試合の中でそれだけ変化をしています。

今回は簡単な分析ですが、試合の中でどれだけ思考を重ねに重ねて狙い球を絞っていけるか。

力対力では敵わない相手に対してもきちんと頭を使い「知力」で勝負をすることができると勝負はおおいにできることができます。

 白鴎大学のランナーコーチはストップウォッチを持っていました。

おそらく、キャッチャーの2塁送球の到達の速さ、ピッチャーが何秒までセットを保持するのかなどを測っていたのでしょう。

ルール上していいかはわかりませんが、そう言った相手のことを知る姿勢はとても素晴らしいと感じました。

大学野球は高校野球に比べて内野の守備位置が後ろに守っているなと感じました。

このメリットは打球が抜ける可能性が低くなり、ヒット性のあたりも内野の守備範囲なり、アウトにすることができます。

デメリットは後ろに守る、すなわち、ベースへの距離は遠くなるのです。

大学は足の速い選手はたくさんいます。

捕るまでの時間、捕球してから投げるまでのスピードが命取りです。スピードがアウトにできるか否かの違いです。

なので、サード、ショートは強肩の選手も多い印象を受けました。

高校野球と1番差を感じるのはピッチャーの投げる球の球速、足の速さ、打球速度、野手のスローイングまでの速さが一段とレベルが上がったと感じました。

まとめ

全日本大学野球選手権:準決勝の試合の振り返り、気づきはいかがだったでしょうか?

少しでも勉強になったり、野球少年や指導者のためになる気づきと楽しさがあれば幸いです。

野球をしていてもなかなか大学野球と関わる機会は少ないと思います。

これからも球場に足を運び、自分の目で観た気づきや考察をしっかり伝えていきたいと思います。

大学野球がもっと多くの野球ファンに認知され、盛り上がることができればと思います。

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