BB-Lab.

プロ野球

【野球/応援】野球における「応援団」とその役割について

コロナが第五類となり、声出しの応援、トランペットの鳴り物の応援の解禁。野球ほど応援が充実しているスポーツはないかと思います。そんな野球における、応援と選手を支える応援団の役割についてお話ししていきます。それでは早速本題に入ります。

応援団結成までの経緯

メジャーにはなくてプロ野球にある文化

応援団はなぜ、存在しているのか?こんなこと考えたことはありませんか?野球の母国であるアメリカ・メジャーでは応援はありませんよね?3月行われたWBCでもメキシコやアメリカの応援は

『メキシコ!メキシコ!』

『U・S・A!U・S・A!』

と自分の国の名前を叫ぶくらいしか聞こえませんでした。メジャーの試合を見ても選手の名前を呼んだりして応援をしている観客はほとんど見られません。野球における応援団はメジャーにはなくてプロ野球だけにある物なんです。なので、大谷選手のホームランも声援がない分、快音が響き渡りますよね。

そんな応援団はいつからプロ野球に存在したのか?気になりますよね?常識を疑う気持ちで物事を見てみるのも面白いですね。

フライパン応援

今では太鼓やトランペットで鳴り物応援が当たり前の野球の応援は始まりはなんだったのか?意外なことに始まりは「フライパン」です!プロ野球が発足したのが1936年。それから16年後の1952年。東京ヤクルトスワローズ(当時:国鉄スワローズ)のファンの観客が自チームの攻撃の時に家庭用フライパンでカンカンと音を鳴らして応援したのが始まりだとされています。

それから1975年。広島東洋カープの応援団が球場にトランペットを持ち込んで応援したのです。それ以降から各球団に鳴り物を用いた応援スタイルが浸透していき現在の応援があるのです。現在は各球団の応援スタイルがありますよね。得点時にタオルを回すチームや傘を開いて上下するチームなど球団の応援を観てこのチームが好きになる観客も少なくないでしょう。

応援団の役割

そんな応援団ですが一体どのような役割を果たしているのでしょうか?メジャーリーグのようにたとえ応援団が存在しなくても試合は成立するのは事実です。

僕自身の個人的な意見ですが、選手の士気を上げ、意欲を高める効果があると思います。野球に限らず、イベント等で「頑張れ!」と応援されるとポジティブな気持ちになった経験が誰しもあると思います。

応援される側は「頑張れ!」の一言でプレーヤーに勇気を与えます。科学的にも応援される効果は出ています。効果は以下の通りです。

  • 自己肯定感UP
  • モチベーションUP
  • 感謝の気持ちを持つことが出来る
  • 達成感を味わうことが出来る
  • 運動量が活発になる

特に5つ目の運動量に関しては企業の実験によると応援の有無で試合の攻防が活発になり、好プレーが連発するようになったのです。まさに”十二分に発揮”ですね。選手自身のインタビューでも「いいプレーがしたい」という気持ちになったのです。

私自身、高校野球ではコロナ禍で球場で生の声援を感じながらプレーしたことがないのでいまは声援が戻ってきて嬉しい気持ちでいっぱいです。

応援団の問題

毎シーズン、毎試合飽きなくどの球団も3時間以上かかる試合を最後まで応援してくれる応援団。そんな応援団には昔は問題が起き、現在は再発防止のための厳しい措置を取った上で応援をしています。かつては純粋に応援をするだけに外野席を占有していただけではなく、

近くで観ている観客にグッズを転売するショバ行為が絶えなかったのです。簡単にいうとグッズの不正販売をする行為が横行していました。それだけならまだしもこの不正販売を裏で手を引いていたのは暴力団が関係している事実が判明したのです。サークルに入ってみたら中身はマルチ勧誘や宗教の誘いなどの類と似ていますね。

 各球団と地域の警察が連携を図り徹底排除を行い、現在は外野席で観ているお客さんも気持ちよく自分の応援しているチームの試合をビール片手に観ることができるのです。こういった不正行為が起きないように、現在は再発防止の処置をとっています。

 2006年以降、球団を通じてNPB:日本野球機構に応援をするための登録申請の手続きを行わないと応援をする許可がおりません。勝手に鳴り物応援や太鼓を用いた個人的な応援はできないのです。申請を行い、許可を受けた応援団のみが外野席で活動が許可されているのです。

応援団員になる方法

応援団として活動するためには申請書が必要になります。その申請書に記載する項目はたくさんあります。団体名、応援団の代表者の名前、連絡先、団員の構成、その人数、氏名、住所、さらには顔写真の添付と記入項目はたくさんあります。その応援団はどのような応援団なのか?登録されている応援団なのか、応援団員に反社会的勢力の者はいないか?など再発防止の措置を十分に行った上で晴れて応援団に加入し、応援団として活動ができるのです。支給されるIDカードにも顔写真付きのものが支給されます。

活動場所

応援団は団員になるだけではなく、球場における活動場所も決められています。応援団の活動場所は野スタンドのみと決められています。今では外野スタンドで応援するのが当たり前となっています。しかし、一昔前は内野席にも私設応援団のおじさんが来て内野席で観ているお客さんに応援活動を誘導していました。

内野席で今ではありませんが、高校野球となると話は別です。私は5月に横浜スタジアムで行われた春季関東大会を観に行った際に内野席で応援していたおばさんがバックネット裏まで来て応援をしていました。私は応援をしに観に来たわけではなく、単純に観戦と試合の記録をバックネット裏から行っていたので、大きな不快は感じませんが、観戦の邪魔になるなと感じました。

どんな人が応援団に属しているの?

プロ野球には欠かせない、応援団。外野席で応援している方々は何者なのでしょう。その正体は意外にも性別、年齢層はまちまちでバラエティーに富んでいるのです。大企業の営業マン、中小企業の経営者、学生、主婦など、一概にこの人たちとは言えないのです。集まる人たちは自発的な方がほとんどです。

ココが凄い!

そして驚きなのが、彼らは今も昔も活動はボランティアです。報酬は一切もらうこともありませんし、チケット代、交通費は全て自腹です。にも関わらず、毎シーズン、毎ゲーム順位関係なく献身的な応援活動を行っているのです。

 おそらく、彼らは応援自体を趣味として捉えれいるのではないかと思います。応援が好きでやっている、そんな感覚に近い気がしますね。もし、そうでもなければ、試合に勝ったら応援団に報酬をいくら払え!とか言いかねないと思います。

応援団の規模

そんなバラエティーに富んだコミュニティーは一体どのくらいの規模なのでしょうか?一概に規模はこのくらいと言えないですが、大企業のように、応援団にも会長、副会長、団長、監査、書記と役職があるみたいです。球団によって、全国に応援団が配置されていて、自らの地元で応援活動をしています。

中には東京にお住まいだけど、ホークスファンだと本拠地は福岡。そうなると西武とのビジター試合で応援に行くといった感じで応援団は各地域で活動をしています。中には応援団同士で遠征を行い、共同で活動を展開を行う方もいるようです。

ココが凄い!

この応援団の凄いところは活動自体、一切強制がないのです。参加が強制されないため、仕事や家事、育児との両立が可能なんですね。自主性で応援活動に励むからこそ全力で選手を球団を応援できるのでしょう。

応援団はココでも活動している!?

球団の応援団は1軍の試合のたった3時間だけでは活動はおさまりません。熱心な応援団員にもなるとチームの遠征先に行くのは当然のこと。2軍のゲームにも足を運び観戦します。さらには新人、若手中心の秋季キャンプ、シーズン前に行う春季キャンプにも毎年、必ず足を運びます。

 特に、若手や新人に関しては、当時の頃から見守ってきた選手が1軍の舞台で活躍していると感慨深いものがあるようです。まるで我が子を見守る親のようですね。

応援活動にかかる費用

ここまで聞くと応援団の方は「野球観戦が最大のストレス解消ツール」になっているでしょう。好きなチーム推しの選手を声を大にして応援する。そんな応援団は年間、いくら野球観戦にお金を使っているのか、気になりますよね?

 参考でお住まいは都内でヤクルトファン。年間70〜80試合を観戦に行く。半分はホームの明治神宮球場、もう半分はビジター(広島や名古屋)観戦に行くようです。年間50万円程度で済むようです。内訳はざっくりこのような感じです。

  • 外野席チケット代 10万円
  • 交通費、宿泊費  40万円

ここで大事なのは当日に予定を入れず、なるべく早くに予定を立てて置いて3ヶ月前から予約を入れて格安で移動することで費用を安く済ませることが出来るのです。

なので人によって個人差は違いますが、応援団で活動して発生してくる費用は年間50万円程度を目処にしておいた方がいいでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?今回の内容をまとめると

  • 応援団はメジャーにはなくてプロ野球にある文化
  • 応援は選手に良い効果をもたらす
  • 鳴り物応援の始まりはフライパン
  • 応援団になるには申請書が必要
  • 応援団の属性は多種多様
  • 活動は全てボランティア
  • 応援団の年間にかかる費用は50万円程度

一見、球団に雇われて応援をしているようにも思える応援団ですが彼らは自らの意思で取り組んでいます。選手の活躍に今もこれからもファンによる声援、応援は欠かせないでしょう。

コメント

この記事へのコメントはありません。

RELATED

PAGE TOP