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【野球選手のセカンドキャリア】大学進学を志した22歳の野球選手

一度社会に出たら、もう学校に行く選択肢をなくしているそこのあなた。そんな固定概念を持ってはいませんか?アスリートのセカンドキャリアだけではなく、ビジネスマンも転職のハードルが下がり多くの方がキャリアについて考えるようになってきました。

その選択肢に「大学進学」を考えたことはありますか?ほとんどの方が仕事を探すと思います。プロ野球選手というアスリートの中でも華の選手たちの”引退”後の多種多様な進路は世間に知られていません。今回は著者:松永多佳倫さんの「前職:プロ野球選手第二の人生で勝ち組になる」からプロ野球を退いた20代のキャリアについて話します。今回の内容から以下のような情報を得ることができます。

・プロ野球とはどんな世界なのか
・プロ野球の”育成枠”の過酷さ
・アスリートのセカンドキャリアの実態
・セカンドキャリアで成功するために必要なこと

こんな方におすすめです!

・スポーツをされているアスリートの方
・これからプロスポーツ選手を目指している高校生・大学生
・転職を考えている20代社会人

キャリアについて考えている人には必見です。

【野球選手セカンドキャリア】

みなさんはプロ野球選手のアスリートのセカンドキャリアと聞いてどんな職業を思い浮かべますか?私がパッと思いつくのは、以前楽天の監督を務めていた大久保監督が居酒屋を出すことを宣言して引退してことが印象的です。かつては焼肉屋、スナック、居酒屋といった”飲食業”が定番でした。今回ご紹介する奥村さんも引退後は飲食業の道へ進んでいます。

しかし、近年は野球選手の中でも将来について不安を抱えている選手が半分以上いるせいか以下のような職業についているケースもあります。

  • 国会議員
  • 大学教授
  • 会社社長
  • 公認会計士
  • 司法書士

一昔前は「野球バカ」という言葉が象徴されるように野球選手は野球だけしかできなく勉強は全くできない典型的な選手が大半でした。近年ではそういったイメージが変わりつつあります。しかし、いまだ就いていない職業は医者と弁護士の二つだけです。

プロ野球選手の第二キャリアについて詳しく知りたい人は【プロ野球選手から第二キャリアで現場叩き上げで年商100億円社長に成長】【9度目の正直でプロ野球初の公認会計士】【プロ野球選手から公務員に転身】をチェックしてみてください。

プロフィール

今回ご紹介する元プロ野球選手のプロフィールと経歴は次の通りです。

  • 島孝明(しまたかあき)
  • 1998年6月26日生まれ
  • 千葉県出身
  • 東海大市原望洋高校
  • 2016年ドラフト3位でロッテに入団
  • 2019年に育成契約に打診を受けるも引退
  • 國學院大学に進学

中学時代から名門シニアで全国ベスト4を経験した野球エリート。高校で150キロを叩き出し、一気に株が急上昇する。U-18日本代表にも選ばれドラフト3位で地元千葉ロッテに3位で指名される。しかし、1年目からイップスを患い、思うようなピッチングができず不安と焦りの中プロ生活を過ごす。
3年目、育成契約を打診されるも自分の立ち位置を考え、自ら引退を表明する。
引退後、國學院大学に入学をした。

世代最速の早熟の天才

島さんの名が全国に響き渡ったのは2016年の関東大会です。2回戦、2番手として5回からマウンドに上がるとスタンドにいるスカウト陣が一斉にスピードガンを構えてプレーがかかります。150キロをマークするストレートは唸りを上げてキャッチャーミットに収まっていく。球場はどよめいた。

 その試合は5イニングを毎回三振で10個の三振を奪う完璧のピッチングを披露した。2週間後の試合では153キロをマークし、突如として世代最速の男に駆け上がった。

高校の平日の練習は3時間にも満たず自主性を重んじる指導だった。中学時代から自ら情報収集を行いトレーニングを行っていた島さんはこの練習スタイルにマッチしていた。1年生からベンチ入りを果たし、甲子園を経験する。3年の夏は早川隆久(現・楽天イーグルス)を擁する木更津総合に敗れる。U-18のメンバーにのうち5人が1位指名を受ける投手王国の1人だった。

葛藤のあったプロ入り生活

「トレーニングはほぼ毎日やって7、8割まで仕上がっている。明後日あたりにはブルペンに入りたい」

新人合同自主トレ後の取材に物怖じすることなくはっきりと取材陣に伝えた。この意気込み通り島さんは1年目からストッパーを狙っていました。

 しかし、プロ入り生活にはかなりのギャップがありました。高校時代は自主性を重んじそれぞれがメニューを考えて練習していた。プロはみんな右にならえで同じメニューをみんなでこなしていた。この練習スタイルに違和感を感じた島さんは、葛藤に思い不思議でたまらなかったそうです。

まさか自分がなるとは•••突如のイップス

プロ1年目の夏ごろ、2軍のマウンドに上がった島さん。プレーがかかった1球目から明らかなボールを連発します。一向にストライクが入らず、見ていて入る気がしない。観客からもやじが飛び交うなど大炎上し屈辱のノックアウトでマウンドを降ります。

応援に駆けつけた母が息子のピッチングを観ても「あの子じゃない」というくらい別人だった。そう、島さんは運動障害、イップスを患ってしまいました。コーチによると、登板1週間前のトレーニングで懸垂のトレーニングで肩周りをガチガチになった肩で試合を迎えてしまったという。

 イップスにかかっても、コーチ陣は思い入れのある選手だっただけにマメにコミュニケーションを交わし、なんとか復活の兆しを見つけようとしていた。何かきっかけを作って欲しいそう願うばかりだった。

イップスの証言

よくイップスという言葉は聞くと思います。しかし、どんな感覚なのか誰も知りません。そして今回は実際にイップスになって島さんとパフォーマンスドクターによるインタビューからイップスとはどんな状態になってしまうのかを徹底的に深ぼっていきます。

島さん本人の証言

イップスは突然きます。気にしていなかった部分を気にしてしまうというか。

例えば、ボールが抜けっちゃったといった何気ない思いがきっかけとなり、自分の中で変に囚われてしまいました。どんどん悪くなっちゃうんじゃないかなと思っていました。

手先の感覚を大事にしたいので日に良し悪しがわかるのですが、それがわからなくなってしまう。どう修正したらいいのかわからない。どう投げていいのかわからない。何をやってもうまくいかない。メンタル的に1番くるのでそれが辛かった。相手に伝えようがなく非常な複雑な思いでした。

パフォーマンスドクターの証言

イチローや大谷翔平選手のインタビューを見ればそれぞれ独自の言葉で自分の不満をどう改善するかについて語っています。調子がいい時にどういった理由からその状態がきちんと検証できている。

 しかし、そんな選手はほとんどいなく、大半が少年野球時代から考えずに天性だけでやっているプレーヤーばかり。トレーニング一つでも自分で検証せずに、間違ったトレーニングを受け入れてしまい、その結果感覚を壊してしまいイップスに繋がるケースもあります。

ただ、感覚を蘇らせると一言で言ってもかなり難しい作業です。本人にしか持っていない感覚があるから、私たちには理解できない。その感覚を理解しようすることが重要です。

一緒にやっていくことで安心感を与えられます。どうしても周りの目も気にしまいがちです。メンタルを整えることは軽度なものです。重度の場合は身体の形が変わってしまうことがあります。もちろん脳も関係していると思います。

イップスに関する生の声を聞けたのではないでしょうか?ぜひ、参考してもし周りにイップスに苦しんでいる人がいたら孤立させず寄り添って一緒に治していく努力をしていきましょう。

焦りと不安が払拭できない日々

投手コーチのアドバイスや紹介された心理学の先生のサポートを受けてみるも一向に良くならない。リカバリーの方法がわからず、誰の言うことも信じられなくなった時に、心理学の先生のサポートで焦りと不安を取り払うことができました。しかし、マウンドに上がれば「いつまたコントロールできなくなるのか」と不安だけはずっと側にいました。

いいピッチンングをしても手応えがない。むしろ、ストレスが溜まる一方で何をやってもだめだった。

育成契約選手から1軍に上がるまでのリアル

近年ではソフトバンクの育成からメジャーでプレーしている千賀滉大投手や、甲斐キャノンでお馴染みの甲斐拓也選手ら育成選手らの活躍が目立ってきています。

しかし、育成から第一線で活躍している選手は数えるほどしかいません。育成契約を打診された島さん直々の育成契約のリアルの声を聞いていただきます!

育成から1軍に上がるのは想像以上に難易度が高いです。まず支配下登録選手になることが関門です。

3軍でほぼ完璧なピッチングを何試合か続けてやっと2軍に呼ばれます。育成選手が2軍の試合に出られる枠はたったの5人しかが設けられていません。2軍でタイトルが取れるほどのパフォーマンスを続けてようやく支配下登録選手になります。

そこからまたさらに完璧なピッチングを何試合か続けないと1軍に呼ばれません。失敗がほとんど許されないのです。育成からほぼ完璧なピッチングをし続けないと日の目を浴びることはできません

そんな過酷な環境を知っていたかつ、高校時代のように世代最速男ともてはやされ、周りからチヤホヤされていた高校時代の自分はとうの昔に消えていたことに気づいて自分の立ち位置を俯瞰してみた島さんは自ら現役生活にピリオドを打ちました。

プロ野球選手から第二キャリアで大学進学に興味を持った方は【プロ野球初の医者を志し医学部合格】もチェックしてみてください。

特別選考入試で國學院大学に入学

プロ野球引退後の進路は決まっていた。幼少期から父の影響で語学が好きだった島さん。ロッテ時代には外国人選手と通訳なしで食事に行くほどです。外国人とのコミュニケーションを取ることが楽しくて仕方なかったと言います。そんな経緯があり、英語を軸にした入試を受けることを決めます。

日本プロ野球選手会と國學院大学が協力し、元プロ野球選手に設けた「セカンドキャリア特別選考入試」を受けます。見事、人間開発学部に合格しました。

 現在は心理学を勉強している。その中でも運動学習分野という人間はどうやって運動を習得していくのかを勉強しています。自身がイップスで苦しみ、心理学の先生にケアをしてもらった恩を次は自らが研究し同じように苦しむアスリートに貢献できるよう、邁進しています。

大学進学を決めた選手の言葉5選

最後にプロ野球選手から國學院大学に進学を決めた島さんの言葉を5つ紹介します。アスリートの方や現在キャリアに悩んでいる方に向けたメッセージとなっています。

これは中学時代から目標を持ち、そのために必要な練習を主体的になって行っていた島さんに相応しい言葉です。ただ先生の言うとおりにして結果がついてきた選手と、失敗しながらも試行錯誤を繰り返し、成功体験を掴んだ学生の方が社会に出て伸びしろがあります。

昔の栄光にすがっていては人生のピークはそれまで、死ぬまで人生のピークを持っていくためには自ら情報収集して自分の体で検証して結果からフィードバックを受ける。ちょっとずつ前進していく。地味ですが、そうやってコツコツやっていくこと目標達成への近道です。

イップスに限らず、何か大きな失敗をしてしまったとき、周りには黙って何とか自分で解決しようしたことはありませんか?自分の力よりも他人の力の方がよっぽど力があります。

聞かぬは一生の恥ということわざがあるように人に聞いたり、相談するとき、その一瞬は恥をかくでしょう。しかし、それを野放しにしていては一瞬どころか一生、取り返しのつかない恥をかくことになりかねません。まずは信頼できる人に相談してみよう。安心してください。困っているあなたから相談が来たら、その相談に真摯になって応えようとする仲間が必ずいます。

何かに没頭するときは絶対に必要です。しかし、日々の忙しく、誘惑の多い日常でゆっくりと自分の人生について考えてみたり、今の自分がどの方向に進んでいるのか考える時間が極端に減っています。

時には、スマホを手放し、公園を散歩しながら考えことをしてみてもいいでしょう。何かを決断する時や選択を迫られる時、日頃から考える時間を設けて自己分析をしている人と、行き当たりばったりの人では決断力に差が出て、結果にも差が出てきます。

寝る前の5分だけでもいい、今の人生で成し遂げたいことや今の生活について考える時間を設けてみてもいいかもしれません。

プロ野球では自主性が重んじられる。むしろ、大人になっていくにつれて自分で考えて行動することが大事だと学校では教わってきたと思います。しかし、社会に出ると属したコミュニティのマニュアルとおりにしかやってはいけないとされることもあります。

それをただの愚痴にしたり、思考停止になって体を動かなさい。「どうして?」と疑問に持つことが改善の始まりです。たとえあなたひとりだけしかその違和感を感じていなくても堂々とその思ったことは大事にして声を出してみよう。

多いから正しいの多数決方式で決めては危険です!

選手が監督のモノマネをするように選手は監督のことを無意識のうちに観察してよく見ています。保護者の前だけ気前のことを言って、選手には圧をかけたりすると選手らは敏感なのですぐに見抜かれます。

そんなことがあるように、外で人に会っているとき、1人で行動している時も誰かがあなたの言動を見ています。苦しい状況にいながらももがいてどうにかしようと頑張っている姿は自然と周りの目に入り、困ったときに人を紹介してもらえます。

自分が調子のいい時に周りにいる人たちは大半が調子が悪くなると去っていきます。苦しい時も一緒に過ごしてくれる、そんな人たちと出会うのは、日頃のあなたの言動に委ねられています。

まとめ

今回はプロ野球選手から大学進学を志した選手の第二キャリアで人生勝ち組になっていくストーリーでした。

島さんがセカンドキャリアで成功した要因は「中学時代から主体的に物事に取り組んでいたこと」「幼少期の自分を振り返り、自己分析をしたこと」にあります。環境の問題もありますが、転職、セカンドキャリアを進めていく中で自己分析はとても大事になっていきます。

目指す目標がなくなってしまってすぐに次のステージを決めれない人の方が多いでしょう。そんな時は、学生時代に何がしたかったのか、これまでの人生で何が好きで何に夢中になって過ごしてきた経験を思い出しましょう。

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