野球の歴史と共に進化してきた野球用具。道具の発展が大いに貢献しています。野球は道具を使いこなすことで上達するスポーツに他ならないからです。
単に体を大きくしても、陸上選手のように走っても、野球の技術が発達するとは限りません。自分の身体に合った適切な道具選びも重要になります。
今回のコンテンツではスパイクが今に至るまでの歴史的背景を振り返りながらお伝えしていきます。
当時は金具をつけるのはあり得なかった!?
野球が始まり、道具の歴史の発展は
グローブ、スパイクが先駆けて発展して後を追うようにスパイクも大いに変化を遂げていきます。今では小学野球はポイントの付いたスパイク。中学野球以上になると9本の歯の金具が付いているスパイクを履いてプレーするのが当たり前ですよね?
ですが、当時はスパイクに金具をつけるなんてことはあり得なかったそうです。当時、金具をつけるというのはすごく画期的な発想だったのです。この経緯には野球の『走る』、『打つ』、『守る』の野球のすべての要素の動きを最適化することをコンセプトに開発が進んだのです。
明治時代のスパイク
野球が日本に伝わったのは明治時代。当時のスパイクの底には金具どころかポイントのついていない、滑らかで平面的なものだったのです。
驚きますよね、まるですハイカットのスニーカーのようだ。野球をやっていた人ならスパイクのポイントがなくなってきたりすると、走る時やスローイングで踏ん張る時に滑ってしまう経験がないでしょうか?
土はもちろん、芝でのプレーでも底が平面的なスパイクは今では考えられません。当時はスパイクの耐久性を高めるために底が平面的なのを採用し、より足と一体化するように開発したなんて諸説もあります。
プロ野球発足〜1940年頃〜
プロ野球が発足した1940年から靴底に金具が取り付けられるようになります。
地面とのグリップ性が向上、かつ、ローカットで動きやすい、まさに野球の動きに適したスパイクになったのです。
第二世代〜1975年頃〜
スパイクに金具をつけられてから35年が経った頃、スパイクのワイド(幅)が広いスパイクの開発が進みました。野球をやったことがある人なら経験があるかとは思いますが、メーカーによってはかなり軽量化されているが、その分、ワイドが狭く足が痛くなるようなスパイクがあったり自分の足には合わないなと試し履きで思った経験をしたことはありませんか?
当時の当時のスパイクは形状だけが完成していただけでまだ、選手のニーズに合わせたスパイクの開発まで進んでいなかったのです。プロ野球が始まり約35年、ワイドがやや広くなったスパイクが登場。さらにソールの二重縫いが強調。さらにスパイクの耐久性が向上したのでした。
更なる「軽量化」〜2000年代〜
さらに時代が進むこと25年。選手からは「軽量化」を求めていました。メーカーはそのニーズに応えるべく軽量化、かつ、金具が取り替えできない仕様にしました。現在のスパイクには珍しいですが当時は金具を取り替える仕様のスパイクが一般的でした。スパイク自体が使える状態だと金具だけを交換して使えるという耐久性を重視したスパイクです。
当時のニーズは軽量化。金具の歯の部分だけを埋め込んだだけのスパイクにすることで更なる軽量化を図ったのです。長持ちする金具の耐久をコンセプトに金具の軽量化に加えて耐久性の開発も進んだのです。
究極の『軽量化』へ
また、現在の選手のニーズは昔と変わらず『軽量化』です。行っている施策は、アッパーの各パーツの縫製の手法を減らした仕様、プリントデザインを採用する製法などありとあらゆる手法で軽量化をどのメーカーも取り組んでいます。
アッパーだけではなく、前後左右斜めと、あらゆる動きに対してパワーロスすることなく加速するCQソールも開発されていたりします。私も当時は試し履きでいろんなメーカーのスパイクを履いてきましたが、メーカーによっては裸足よりも軽いと感じるくらいのスパイクもありました。
デザインの進化
最近までは野球のスパイクといえば『黒』と思われるように、他のサッカーやバスケのシューズに比べて野球のスパイクはデザインが乏しいのが現実でした。チームに限らず、全選手が全く同じスパイクを履いているそんなイメージが合ったのではないでしょうか?
しかし、現在のスパイクは白をベースにしたスパイクに代わり大学、プロ野球のスパイクは見た目が良いスパイクも登場しています。
一時は流行った懐かしきスパイク
現在のスパイクはローカットが主流。しかし、一時は「ハイカット」のスパイクも流行りました。
見た目はまるでバスケットシューズのようですよね。
まとめ
いかがだったでしょうか?日本に野球が伝わってから現在のスパイクに至るまでの歴史を振り返ると
- 明治時代は靴底が滑らかで平面的なもの
- プロ野球発足と同時にソールに金具が取り付けられる
- さらに履きやすいようにワイドが広くなった
- 金具の取り替えをしない軽量化スパイク
- 更なる軽量化とソールの開発
グローブやバットと同じくらい野球の発展、そして選手のプレーを最大限に発揮している道具といっても過言ではないでしょう。これ以上は進化できないと思えるくらいスパイクは選手のニーズに応えここまで熱心に開発に取り組んできました。
革の素材から色、形状など、これからも様々な流行りが出てくるでしょう。今日、データや食事、心理学など多方面で発展している現代の野球。それでも昔と変わらずスパイクをはじめ、道具が野球の発展に大きく貢献していくでしょう。
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